【シマイシガニの主な産地とおいしい食べ方】
【シマイシガニってどんなカニ?】
クリームの地に濃い茶色の縞模様を持つ、独特の風貌のシマイシガニ。
甲羅を縦横に走る縞が連想させるのか、九州地方では「虎蟹」という名称でも親しまれます。また、縞が身体を十字架のように覆っているとして、英語では「cross crab」「Christ crab」といった物々しい名前で呼ばれる場合もあります。このため、キリスト教圏ではシマイシガニを食べることは無いそうです。
種類としてはワタリガニの仲間で、甲羅が大人の手のひらほどにも成長する大型の淡水ガニです。茹で上げると縞の部分がオレンジに色づき、たいへん華やかな見た目になります。この華やかさに由縁するのか、シマイシガニを珍重して食べる中国南部では「花蟹」とも呼ばれています。
【シマイシガニの主な産地】
シマイシガニの住処は浅い海や河口の周辺です。暖かい地域に多く生息するカニで、中国南部からら東南アジア、インド洋、更には南アフリカの沿岸部まで幅広く生息しています。
特に中国・台湾周辺では養殖も行われ、高級中華料理の食材として珍重されています。
【まさに宴席の花!シマイシガニのおいしい食べ方】
シマイシガニは身体はやや小さいものの非常に味わいが濃厚で、特に中国ではワタリガニよりもおいしいとされて非常に珍重されてきました。また、火を通すことで体色が白とオレンジに変わり、あでやかな見た目も料理の花として好まれます。
また、殻や脚から染み出る出汁も甘みが強く美味であるため、出汁が出るよう他の具材と炒めたり煮込んだりといった調理法もよく見られます。
シマイシガニ料理ととしてポピュラーな台湾料理をご紹介しましょう。中国南部の伝統的な料理、「シマイシガニの卵炒め」です。
内蔵類をのぞいたシマイシガニを殻ごとぶつ切りにし、タケノコやネギなどの野菜類とともにスープで煮込みます。カニの身に火が通ったら、溶き卵を注ぎ入れ、卵が固まったら出来上がりです。
鮮やかなシマイシガニにふわふわの卵が絡み、豪快でゴージャスな雰囲気満点の一皿です。伝統的な宴席料理として知られ、お祝いの席をいっそう盛り上げます。
また、タイの有名料理「プーパッポンカリー」も外せないでしょう。ぶつ切りにしたシマイシガニ(ワタリガニの場合もあります)をカレー粉で香ばしく炒め、最後に溶き卵でとじる料理です。使うスパイスの違いはありますが、どちらの料理も蟹のエキスを卵で閉じ込めるという部分では共通している部分が見られます。スパイシーな味わいが甘く濃厚なシマイシガニの旨味を引き立ててくれます。
スポンサード リンク