【花咲ガニ(コンブガニ)の主な産地とおいしい食べ方】
【花咲ガニ(コンブガニ)ってどんなカニ?】
「花咲ガニ」という名前から、いったいどんなイメージを受けるでしょうか?私はなんとなく、華やかでファンシーな名前からかわいらしいカニの姿を想像していました。
実際には、そのイメージからは想像もつかない、ゴツゴツとしたトゲに覆われた花咲ガニの姿。初めて見たときには多いに驚かされたものです。
しかし、さらなる驚きがその後に待っていました。茹で上げられた花咲ガニは、まぶしい朱色に染まります。大輪のラナンキュラスを思わせる姿には、なるほど、これが「花咲」か…と納得させられるでしょう。
花咲ガニはタラバガニやアブラガニの仲間ですが、彼らのような大きな長い脚は持っていません。しかし丈夫な固い甲羅は健在で、鋭いトゲもあいまって食べるときには重々の注意が必要です。
【花咲ガニ(コンブガニ)の主な産地】
花咲ガニの別名「コンブガニ」は、昆布などの海草類を主な餌とする所に由来します。花咲ガニの産地は昆布の産地と同じく、北海道周辺からオホーツク海、千島列島あたりの冷たい海。タラバガニが水深400メートル程の深海に住んでいるのに対し、水深200メートル程度の、比較的浅い海に生息しています。
漁期は場所によって異なり、3月から9月までに制限されています。そのため、旬は夏から秋。カニと言えば冬のイメージが強いですが、花咲ガニは対称的に夏のカニと言えます。
【濃厚な出汁の味わい!花咲ガニ(コンブガニ)のおいしい食べ方】
花咲ガニの味わいの特徴は、なんと言ってもその濃厚な甘みとコクです。火を通すことで独特の甘く香ばしい香りが立ち上がり、食欲をそそります。タラバガニと違って身体はあまり大きくありませんが、脚が太く、食べ応えのある身が詰まっています。
もちろんゆでガニ・焼きガニと言った定番の楽しみ方も良いのですが、花咲ガニの伝統的な食べ方としてぜひおすすめしたいのが「鉄砲汁」です。
昆布だしにぶつ切りにした花咲ガニを豪快に投入!沸いてきたら豆腐や長ネギなどのシンプルな具材を入れ、柔らかくなってきた所で味噌を溶いたら出来上がり。
食べ終わった後の殻からでもじゅうぶんに出汁や香りは出ますが、ぜひ一度身とミソが入ったままの状態で作ってみてください。甘くて濃厚な花咲ガニの味が、余すところなく溶け出た汁は絶品。田舎味噌とカニ味噌が混ざり合い、海の恵みをそのまま閉じ込めたような磯の香りが印象的です。
鉄砲汁は漁師料理をルーツに持つ豪快な男の料理。豪勢な具は必要ありませんが、お好みに応じてきのこ類や白菜など、味を吸う具材を入れても良いでしょう。逆に、カニと長ネギ、たった2つだけの具材で作っても、とろりとしたネギの旨味と潮の香りがマッチしてシンプル・イズ・ザ・ベストの美味しさですよ。
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