【タカアシガニの主な産地とおいしい食べ方】
【タカアシガニってどんなカニ?】
大きなものでは全長3メートルを有に越える、世界最大の深海ガニ。それがタカアシガニです。非常に古い種であることが知られており、「生きている化石」とも呼ばれています。
近年の技術の発達により擬似的に深海の気候が再現できるようになったことから、水族館でもよく見られるようになりました。「クモガニ科」という科に属すことも納得のひょろりと長い手足。窮屈そうに折りたたんだ脚の上にころんと丸い甲羅を載せている姿はどことなくユーモラスな印象さえ与えます。鮮やかなオレンジ色の体色と、その大きなハサミにそぐわぬ温厚な性質から、水族館でも人気です。
カニの中でもひときわ個性的な種ですが、決して珍しいわけではありません。大きく立派な甲羅が魔除けとして使われる風習があったことからも分かる通り、昔から日本人にとっては身近なカニだったと考えられています。
【タカアシガニの主な産地】
タカアシガニの主な住処は日本近海で、つい20年程前までは日本の固有種と考えられていました。
最も有名な産地は静岡県の駿河湾に臨む戸田港でしょう。駿河湾は過去の地殻変動により、湾であるにも関わらず非常に水深が深いため、深海に住む多様な生物が生息する神秘の海でもあります。タカアシガニは深いところで水深800メートルもの深海に生息し、まだ詳しい生態が分かっていません。
【圧巻の食べ応え!タカアシガニのおいしい食べ方】
そんなタカアシガニが「食材」として数えられるようになったのは最近のこと。それまでは剥製に加工することはあっても食べる事はなく、むしろ底引き網漁で網を壊してしまうやっかいな存在だったのだそうです。水分の多いタカアシガニの身は鮮度を保つ事が非常に難しかったのも、食用としてのタカアシガニの魅力がなかなか発見されなかったことの理由の一つかもしれません。カニ類は一般に、死んでしまうと急速にその鮮度を落とします。タカアシガニは鮮度が味わいに与える影響が大きく、死んでしまうとあっという間に身が縮み、スカスカになってしまうのだそうです。
タカアシガニ料理の醍醐味は、何と言っても圧倒的な長さと大きさの脚肉。タラバガニやズワイガニすらも小さく見える程の存在感を放ちます。そんなタカアシガニの料理方法は「かにしゃぶ」がおすすめ。身はクセが無くあっさりとした味わいで、さっとゆがくことで自然な甘みが引き立ちます。その他にも、茹でガニ・焼きガニなど、シンプルに身を楽しむ食べ方が基本です。
タカアシガニを一種のご当地グルメにしたのが静岡県にある戸田の町。キンメダイと並ぶ深海の美食として、漁港の近くにはタカアシガニ料理店が立ち並びます。
スポンサード リンク