【エゾイバラガニ(ミルクガニ)の主な産地とおいしい食べ方】
【エゾイバラガニ(ミルクガニ)ってどんなカニ?】
エゾイバラガニという蟹をご存知でしょうか?もしかしたら、「ミルクガニ」という別名の方がポピュラーかもしれませんね。どちらにせよ、知っていたら通の中の通と言っても良いほど、マニアックな蟹であることは間違いありません。
エゾイバラガニはタラバガニの仲間で、水深800メートルの海に住む深海ガニです。
「ミルクガニ」という名前は、身にミルクやバターを思わせる香りがあるところからつけられたと言います。エビと蟹の中間のような、牛乳の香ばしく甘い香りは、エゾイバラガニほどではないものの、同種のタラバガニからもうっすらと感じられます。
【エゾイバラガニ(ミルクガニ)の主な産地】
エゾイバラガニは深海域に生息するため、主な産地は限られており、国内では横須賀湾と駿河湾が知られています。
国内で「エゾイバラガニ漁」を行う漁船は非常に少なく、したがって水揚げ量も少ないため、エゾイバラガニは非常に希少性の高い蟹であると言えます。
有名な漁船として、焼津港を本拠とする「長兼丸」という名だたる漁船があります。この漁船は駿河湾で深海生物を漁獲するというちょっと変わった船で、エゾイバラガニの他に、深海ザメや深海に生息する貝などを水揚げしており、船長である長谷川氏は深海生物研究の有名人なんだとか。
他の蟹と同じく、エゾイバラガニも水揚げ後どんどん鮮度が落ちてゆくため、エゾイバラガニを味わうなら焼津港に行くしかありません。食べられる場所が非常に限られていることも、エゾイバラガニが「幻のカニ」であることの一因となっています。
【ミルクの香りを楽しむ エゾイバラガニ(ミルクガニ)のおいしい食べ方】
そんなエゾイバラガニ、食べられる機会は非常に限られています。長兼丸のウェブサイトによれば、オーソドックスな食べ方は「蒸しガニ」であるとのこと。
ミルクの香りと濃厚な旨味を楽しむには、旨味が水に流れやすい茹でガニではなく、蒸気で身にぎゅっと閉じ込める蒸しガニがぴったりだそうです。
そしてもう一つ、船長自らオススメと推すのが「しゃぶしゃぶ」。
ほんのりと火が入る事で、香ばしいミルクの香りはひきたちつつも、蟹の身本来のとろけるような甘みが残り、獲れたての蟹を食べる醍醐味を余す事無く感じられます。
たゆまぬ研究の結果、お湯につける時間は「13秒間」とするのが、もっとも美味しい食べ方であるということが判明したそう。この研究熱心さには頭があがりません。
何かの折に静岡県に足を運ぶ際は、ぜひ一度焼津に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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