冷凍ものは自然解凍してから、塩と酢各少々を加えた熱湯でゆでなおすか、蒸しなおすと水っぽさが取れ、よりいっそうおいしく召し上がれます。解凍するさいも、時間をかけてゆっくり解凍すればするほど良く、ベストの解凍方法は氷水に浸して自然解凍よりもゆっくりと解凍することだそうです。
調理法
ほのかな甘みを持ち、独特の濃厚な旨みを持った、それでいて脂肪分の少ないあっさりした味わいというのがカニの持つ食材としての特徴です。和食では身だけを取り出して酢の物にするのが王道の食べ方の一つです。酸味が加わることで引き締まった感じになり、旨みもより濃厚に感じられます。次にカニ飯です。カニは味の素晴らしさの割りに可食部が多いとはいえない食材ですので、ご飯とあわせることでボリューム感がアップし、それでいてご飯とあわせても味が薄まったと感じさせないダシの濃さが、カニにはあります。ほかにも甲羅蒸し、焼き物、揚げ物、そして多くのカニの旬である秋から冬にかけてとくにおいしい鍋料理など、和食におけるかにの調理法は実に種類が豊富です。さて、和食といえば醤油や味噌といった大豆発酵調味料のイメージが強いですが、ほとんどの和食にこのどちらかが用いられるようになったのは比較的近世のことで、もともと和食には「塩梅」という言葉があるとおり、豊かな山海の野生で育った動植物を酢か塩で味をつけていただくという考え方の歴史が古いのです。その考えがよく残っているのがカニ料理であるといえますし、それだけカニ料理が古くから伝統的に用いられてきた調理法をそのまま引き継いでいるということでもあるでしょう。
洋食ではゆでて塩やレモン、マヨネーズを付けて食べる方法がポピュラーです。レモンと酢は同じ酸味を付加する調味料ですから、和食と洋食で考え方が共通しています。マヨネーズと甲殻類の相性は良く、中華のエビマヨやカニを用いたピザの具にも、この組み合わせが採用されていますね。和食にも黄身酢というものがありますから、これもカニと合うことでしょう。そのほかコロッケ、サラダ、クリーム和えなどです。中華料理でもカニは非常に重用されている食材です。身をほぐしたものはカニ玉、点心の具、チャーハン、おかゆなどを非常においしくしますし、からつきのワタリガニをぶつ切りにして、香味野菜や調味料とともに強火で炒めた料理は、中華ならではの方法でカニのおいしさを引き出している名品です。
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