カニミソというものを皆さんご存知でしょうか。回転寿司のメニューにも最近はありますので、ご存知の方も多いと思います。カニを丸のまま購入された場合、このカニミソを味わえることが大きなメリットとなります。
カニミソはかにの甲羅の中にある「わた」のことです。形状が味噌に似ているのでこの名があります。脚だけでなく頭胸部もそのままゆでたかには、このカニミソを味わえることが何といっても醍醐味です。甲羅を外して中のカニミソをそのまま召し上がって、日本酒をキューッとやったときのうまさときたらもうたまりません。また、非常に美味かつ濃厚ではありますが量が多いとはいえない部位ですので、酒、砂糖、卵黄を加えてひと煮立ちさせるとほどよくボリュームも増え、また万人受けする味になります。さらに、カニミソを食べた後の甲羅には、内側にまだカニミソが付着していますよね?ここにカニの脚や肩の身をほぐして入れ、カニミソとあえて召し上がると、これはもう最高の味になります。
カニミソのほかにもカニには珍味と呼べる部位があります。それがカニこです。カニこ 蟹子、英名Crab Roeは、蟹のメスから採取した卵を塩漬けにしたもの。受精前の甲羅に張り付いている卵を内子(うちこ)といい、受精後の腹部に付着している卵は外子(そとこ)といいます。市販されているカニこには色が2種類あることに気づかれると思いますが、このうちオレンジ色をしたものはズワイガニの卵を用いて作られたもので、濃い紫色をしたものはタラバガニやハナサキガニといった、いわゆるヤドカリの仲間のカニの卵を用いて作られたものです。カニこはそのまま箸ですくってすこしづつ召し上がってもお酒との相性抜群でおいしいですし、塩気が利いた味がご飯にも合います。西洋料理にも用いられ、重にカナッペなどのオードブルに用いられるほか、サラダに少量散らしたり、いつものお料理をぐっと高級に演出してくれます。
カニのメスは成体になると、ほぼ一年中、産んだ卵を腹部に抱いて過ごし、その卵が成長して、カニの子供(まだカニの形をしておらず、ゾエアと呼ばれます。)を海にはなったら、再び交尾をして卵を産み、また抱いて育てるという生活をします。そのため内子や外子をわれわれがいただけるということになり、その味は生命の営みとカニを育んだ大自然に感謝せざるを得ない奥深いものです。ぜひご賞味ください。
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