カニを通販で丸のまま購入された場合、鍋で召し上がるにしても、刺身で召し上がるにしても、包丁でさばき方を知る必要が出てきます。そこで、動画を見てさばき方の予習しておきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=183KU6rvs1U
この動画は、京都の丹後半島、網野で長年にわたって食通の舌をうならせる老舗、藤右衛門の田茂井氏による、出刃包丁での丸のままのカニのさばき方の実演です。特徴的なのは、出刃包丁をカニの脚に薄く当て、表面の殻をそぎ取るようにして、中のカニの身を露出させる技法です。調理バサミではこの技法は困難ですから、出刃包丁ならではの良さといえますし、このさばき方であれば鍋に入れて煮込んでもカニの身が崩れないというメリットもあります。また、カニのダシを鍋のスープに溶け出させるという意味でも、このようにカニの殻を取り除く面積を最小限にするのは意味があります。
https://www.youtube.com/watch?v=n5NEsNtsdgo
こちらの動画は、かにしゃぶや刺身でいただくときのように、カニ肉を完全に露出させる方法でのさばき方です。カニの殻の一面を削ぐのは1本目の動画と共通ですが、そのあとカニの脚を裏返し、関節のでっぱりからわずかに包丁を入れてやることで、カニの肉が殻から外れて、綺麗に分離することがわかります。
さて、お楽しみはカニの脚だけではなく、ぜひ味わっていただきたいのが脚の付け根です。実はカニに限らず、動物の肉は脚の付け根がおいしいという法則があるのをご存知でしょうか。例えば、多くの方にとってごちそうの代名詞でもある牛肉。後ろ足の付け根の部分は上質で柔らかく、赤身のうまさを存分に味わえるランプという部位として知られていますし、前足からつながる肋骨の周りは脂のうまさととろけるような味が魅力のスペアリブ、カルビとして知られています。足の付け根というのは歩くときや呼吸に常に使われているために、血流が常に盛んで、その結果生き物の細胞にも存分に栄養素が行き届けられます。そのため細胞の代謝、合成も十分に行われて、おいしい肉となるのです。これは牛肉のみならず、カニの肉も同様に当てはめられます。カニ食用スプーンで簡単にほじくって食べられる足肉に比べて、足の付け根の肉は白くて見た目も地味ですし、構造もちょっと複雑に入り組んでいて、カニを召し上がる初心者の方にはちょっと尻ごみしてしまうかもしれませんが、その味は絶品なのです。脚の付け根はカニの肩肉とも呼ばれており、さばき方は包丁で、まるでパンをサンドイッチ用に2等分するときのように、上下に2等分します。
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